小坂義久「令和6年予算特別委員会 総括質問」


 

1.公共施設の利用状況と有効活用について

次の3点について、区長の所見を伺う。

①コンビニジムの進出など、区民館のトレーニング室を取リ巻く状況は変化している。鏡などが設置されているトレーニング室は、ダンスや太極拳のほか、パリオリンピックの正式種目となったブレイキンなどにも利用できると考える。
そこで、よリ多くの方が利用できるよう、トレーニング室のあリ方を見直すべきと考えるが、どうか

②区有施設の和室や調理室等については、利用状況が芳しくないため、機能の転換を図るべきと考えるがどうか。

③施設ごとに利用要件や登録要件が異なリ、また、運用も複雑であるため、利用したい方が利用できない状況が見受けられる。
そこで、利用要件などを見直し、区民にとってよリ分かりやすく、使いやすい施設にすべきと考えるがどうか。

【区長答弁】

私から、ご質問のうち、施設の機能転換及び施設の利用要件等の見直しについて、お答えいたします。
区ではこれまで施設の設置に当たっては、行政目的に沿って機能を整備し、必要な方に適切に行政サ—ビスが提供できるよう運用を定めて参りました。
しかしながら、委員ご指摘のように、行政需要の変化による諸室の利用率低下や、設置目的の相違により利用要件の設定が複雑であるなどの課題が生じていることは、認識をしています。
私は、今年度策定した「台東区公共施設等総合管理計画」に基づき、区の施設を個別ではなく全体として捉え、有効活用していくことが肝要と考えます。
引き続き、既存施設の利用が促進されるよう、必要な備品や設備の整備など、利便性の向上に努め、今後は、新たな施設整備や大規模改修に合わせ、機能の転換を図って参ります。
また、施設全体で統一的に利用要件等の見直しを図るとともに、公共施設予約システムの改修なども積極的にすすめ、区民の方が施設をより利用しやすくなるよう取り組んで参ります。

私からは、以上です。

【区民部長答弁】

私から、ご質問のうち、区民館のトレ—ニング室について、お答えいたします。
区民館のトレーニング室は、区民の基礎的な体力づくりと余暇娯楽活動の一環を担うために設置しています。
トレ—ナーの指導のもと、心肺持久力や筋力を鍛えるトレーニング機器を無料でご利用いただけますが、機器の老朽化や開設時間の限定などが課題となっています。
また、24時間営業のジムが増え、機器を使った体力づくりの場の選択肢が広がっていることや、子供の体力向上やフレイル予防など幅広い世代の体力づくりの場も求められており、トレ—ニング室を取り巻く状況は変化しています。
今後、社会状況の変化や多様化するニーズを踏まえ、トレ—ニング室のあり方を検討して参ります。

2.認知症支援の推進について

2025年には65歳以上の5人に1人の方が認知症になると推計されており、超高齢化社会を迎える上で、認知症対策は重要であると考える。
そこで、次の2点について、区長の所見を伺う。

① 認知症の方とその家族や介護者等との信頼関係を構築する為に有効な技法の―つである「ユマニチュード(※1)」について講演会を実施するなど、周知・啓発を行うべきと考えるがどうか。

②高齢者の意欲や注意力が向上すると言われているeスポーツ(※2) を介護予防事業に取り入れ、高齢者の詔知機能の維持・向上を図るべきと考えるがどうか。

※1 ユマニチュード
語知症の方の尊厳を保ち、信頼関係を構築しながらケアを行う技法の一つであり、見る、話す、触れる、立つの4つの柱によるケアを基本とする。フランスを発祥として、現在までに、日本を含め、1か国以上の国で導入されている。

※2 eスポーツ
エレクトロニック・スポーツの略で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。

【福祉部長答弁】

ご質問にお答えいたします。
まず、ユマニチュ—ドの周知・啓発についてです。
委員ご提案のユマニチュ—ドは、認知症の方の尊厳を保ちながらケアを行うための有効な技法の一つと認識をしています。
例えば、介護者が同じ目線で正面から穏やかに話しかけ、ゆっくりと身体に触れることは、認知症の方に安心感を与え、信頼関係を深める一助となり、介護負担の軽減にも繋がるものです。
区では、これまで認知症サポーター養成講座等を通じて、認知症に関する正しい知識の普及に努めて参りました。
今後は、ユマニチュードの考えも取り入れた支援方法に関する講座等を実施し、認知症の方が住み慣れた地域で安心して生活が続けられるよう取り組んで参ります。

次に、eスポーツの導入についてです。
区では、高齢者の心身の維持・向上と交流の促進を目指し、かがやき長寿ひろば入谷等において、ゲームや遊びを通して脳の活性化を図るレクリエ—ションや、音楽に合わせた脳トレ健康体操教室等を実施してきました。
e スポ—ツは、認知機能の向上に資するだけでなく、世代を超えて様々な方が一緒に楽しむことができるものと認識をしています。
高齢者の社会参加をより一層促進し、認知・身体機能の維持・向上を図るため、今後eスポーツの活用について検討して参ります。

3.生涯学習環境の充実について

人生1年時代が到来する中、生涯にわたって学習に取リ組んでいくことが必要である。そこで、次の3点について、教育長に伺う。

①社会教育施設である社会教育センター、各社会教育館では指定管理者が、様々な事業やセミナーを展開している。指定管理者との連携を密にし、区民に一層多様な学習機会を提供すべき
と考えるが、どうか。

②生涯学習を始めたい方を対象にした「生涯学習きっかけ相談」では、どのような相談が行われているのか。また、区民が学習機会を見つけられるように、どのように取リ組むのか。

③生涯学習ボランティア「まなボ」について、登録者と利用団体とのマッチングを含めたコーディネートを区が行うとのことであるが、これまでの実績は、また、今後どのように取り組むのか。

【(教育長答弁】

ご質問にお答えをさせていただきます。
まず、多様な学習機会の提供についてでございます。
本区におきましては、これまで、趣味・教養・健康など幅広いジャンルの講座を「台東学びの広場」として実施してまいりました。実施にあたっては、学習の需要や傾向について、指定管理者と意見交換を行い、年間を通じた講座の設定を行っているところでございます。
また、指定管理者がサークルフェスタやスタンプラリーなどの自主事業を行う際には、相互に協力して活動の周知・啓発に取り組んでおります。
今後も、時宜に適ったテ—マとなるよう、適宜、指定管理者と調整を行うなど密に連携を図り、区民への多様な学習機会の提供に努めてまいります。
次に、「生涯学習きっかけ相談」についてでございます。
生涯学習きっかけ相談につきましては、生涯学習センタ—に専用の窓口を設け、学習への一歩を踏み出していただくことを目的に実施しております。
実施にあたっては、相談内容を詳細に聞き取り、サークル情報や区内外で実施される講座の案内等、ニーズに合わせた相談対応を行っているところでございます。
・教育委員会といたしましては、今後、より多くの学習情報を提供できるよう、大学をはじめとした他の教育機関の学習情報なども、今まで以上に収集・把握するとともに、区民のニーズに応じて、オンデマンド講座の紹介を実施することで、相談者の希望に沿った学習相談を行えるよう努めてまいります。
次に、「生涯学習ボランティア」についてでございます。
本区におきましては、これまで、ボランティアの知識や経験を活かすため、区内の法人等からの要望を受けマッチングを行ってまいりました。
高齢者施設や放課後子供教室では、手品やフラダンスを披露し、利用者に体験していただくなど、区民の学習活動につなげているところでございます。
区民の持つ豊かな知識と経験を活かし、ボランティアとして活躍していただくことは、継続的な生涯学習に取り組んでいただくうえで、非常に重要なことであると認識をしております。
今後も、各講座等で人材を発掘するとともに、民間での活動も含め、活躍の場の裾野を広げるためのコーディネ—卜を実施し、より一層区民が教え合い、学び合える環境を整備してまいります。
教育委員会といたしましては、生涯学習センタ—の機能強化を通じて、ハ—ド・ソフト両面での充実を図り、誰もが学習に取り組み、継続できるよう努めてまいります。