小坂義久「令和4年第3回定例会 一般質問」


 

1.民間企業等との連携協定について

区では、様々な民間企業等と連携協定を締結している。

連携協定を締結することによリ、民間企業等からの協力や支援が大いに見込まれ、地域や経済の活性化や公共サービスの充実につながる事業の展開が期待される。
そこで、区が民間企業等との連携協定を締結することに対する認識と、今後の展開について、区長の所見を伺う。

【区長答弁】

小坂議員のご質問にお答えいたします。
ご質問の第一は、民間企業等との連携協定についてです。
区では、これまで、災害時における応急物資の調達に関する協定をはじめ、「台東区高齢者地域見守りネットワ—ク」事業や観光分野において、民間企業等との協定を締結し連携を進めて参りました。
行政ニーズが多様化・複雑化する中、民間企業等との連携は、地域の課題を解決し、地域活性化や区民サービスの向上に資するものと、私も認識をしています。
また、協定を締結することで、継続的かつ安定的な協力関係の構築が可能となります。
一方、締結にあたっては、目的や期待される効果を明確にし、双方で共有するとともに、費用負担などについて十分に協議を行う必要もあります。
今後も、民間企業等が有する資源やネットワーク、ノウハウなどを活用することで、地域活性化や区民サービスの更なる向上に努めるとともに、新たな連携協定の締結については、これまでの成果や実績を踏まえ、総合的に判断して参ります。

2.「気象防災アドバイザー」について

各地で記録的な豪雨に見舞われるなど、激甚化・頻発化する自然災害から国民を守るため、気象庁は、OB・OG等による「気象防災アドバイザー」制度を導入し、自治体を支援するとしている。
また、今後、制度の普及を目的として、全国の民間気象予報士を対象に研修を実施することで人材を確保し、防災力の底上げを図るとしている。
そこで、気象防災アドバイザーに対する誇識と、その活用について、区長の所見を伺う。

【区長答弁】

ご質問の第二は、気象防災アドバイザーに対する認識と活用についてです。
気象防災アドバイザーは、地域の気象現象に精通し、防災に関する知識も兼ね備えた専門家であり、自治体の防災対応を支援できる人材であると認識をしています。
大雨等による風水害時には、防災担当の一員として、地域における気象状況の予測や、避難情報の発令に繋がる的確な助言を行うなどの直接的な支援が期待できます。
現在、区では、民間の気象情報会社より、大雨や台風、土砂災害等の詳細な見通しや、災害リスクヘの対策に関する情報等の提供を受けています。
また、24時間珀日体制で、専門知識を持つ支援チームのサポ—卜を受けています。
これらの業務内容と気象防災アドバイザーの役割には、重複する部分が多いことから、気象防災アドバイザーを含めた災害に関する専門家の効果的な活用方法については、今後とも研究して参ります。

3.災害時における外国人対応について

災害時には、外国人への適切な情報伝達や、避難所における意思疎通の円滑化が重要と考える。
そこで、災害時における外国人への対応に関し、次の2点について区長の所見を伺う。

① 必要な災害情報を得られるよう、外国人に配慮した情報伝達を行うべきと考えるが、どうか。また、現在の区の取リ組みについて、併せて伺う。

② テレビ電話による通訳サービス等を利用するため、各避難所にタ ブレット端末を配備すべきと考えるが、どうか。

【区長答弁】

ご質問の第三は、災害時における外国人対応についてです。
まず、外国人に対する情報伝達についてです。
災害時に必要な情報を的確に把握していただくことは、身の安全を確保し、適切な避難行動をとるうえで、大変重要であると認識をしています。
区では、外国人の方が転入される際に、避難場所や避難方法等を確認していただけるよう、外国語版の防災地図やハザ—ドマップ等を配布しています。
また、災害時に区の把握する最新情報を地図上に表示する防災アプリの多言語化にも取り組んで参りました。
さらに、観光客など、短期滞在している方にもアプリを活用していただけるよう、観光案内板や主要駅等における周知をより一層充実して参ります。
今後も、災害時に誰もが必要な情報を得られる環境の整備に努めて参ります。
次に、各避難所へのタブレット端末の配備についてです。
避難所において、外国人の受け入れや生活支援を行うには、適切なコミュニケーション手段の確保が必要です。
区では、現在、指差しでやりとりできるコミュニケーション支援ボ—ドを各避難所に配備しています。
また、災害時には、外国語を話せる職員を活用するとともに、東京都に対して通訳ボランティアの派遣を要請して参ります。
議員ご提案のタブレット端末によるテレビ電話通訳サービスは、本区でも窓口業務で活用しており、災害時にも有効な手段のひとつであると認識をしています。
避難所における外国人とのコミュニケーション手段の確保については、タブレット端末を含め、他自治体の取組みも参考に、検討して参ります。

4.講演会シリ—ズ「江戸から学ぶ」について

区が、平成30年に開始した「江戸ルネサンス事業」において、講演会シリーズ「江戸から学ぶ」は特に好評であった。
来年は、江戸を舞台とした時代小説を数多く執筆した池波正太郎の生誕100周年や大河ドラマ「どうする家康」の放送が予定されるなど、江戸への関心が高まることが期待される。
そこで、令和5年を江戸のこころと文化が息づく本区の魅力を発信する絶好の機会と捉え、講演会シリーズ「江戸から学ぶ」などの事業を再び実施すべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

【区長答弁】

ご質問の第四は、講演会シリーズ「江戸から学ぶ」についてです。
講演会シリーズ「江戸から学ぶ」は、平成3年度から4年にわたり、17回の連続講座などを実施し、3,000人を超える方々に受講いただきました。
受講者からは大変ご好評をいただき、区民の郷土意識や誇りの醸成、江戸への関心の高まりなど、大きな成果を得ることができました。
議員ご指摘のとおり、来年は、江戸の歴史や文化に注目が集まることが期待されます。
この機会を捉え、江戸から続く伝統・文化、産業、観光などの地域資源をさらに活用するため、講演会をはじめ様々な事業を実施し、本区の魅力「江戸たいとう」を広く区内外に発信して参ります。
その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。

5.部活動の地域移行における本区の現状と今後の展開について

部活動が教員の長時間勤務の一因であることなどから、現在、公立中学校における部活動の地域移行が議論されている。
国は、令和5年度から令和7年度までを部活動の改革集中期間と位置づけ、各自治体に対し、段階的に地域に移行するように求めていると聞く。
そこで、本区の公立中学校における部活動の地域移行に向けた現在の状況と今後の展開について、教育長の所見を伺う。

【教育長答弁】

小坂議員の部活動の地域移行における本区の現状と今後の展開についてのご質問にお答えをさせていただきます。
区立中学校の部活動につきましては、教員の長時間労働や少子化に伴う生徒数の減少により、活動自体が難しくなるなどの課題が指摘されております。昨今、スポーツ庁及び文化庁より、地域移行に関する検討会議の提言が示され、今後の地域移行については、区民の関心も高いものと認識をしております。
本区におきましても、段階的な地域移行に向けた検討委員会を令和3年度より定期的に開催し、本区の現状や様々な課題を把握し、対応策を検討しているところでございます。また、国や都の動向や他区の取り組みを注視しつつ、教育委員会のみならず、関係各課とも連携を図ってまいります。
教育委員会といたしましては、今後も、生徒が将来にわたり、スポーツや文化芸術に継続して親しむことができる機会を確保するよう、努めてまいります。