小坂義久「令和4年予算特別委員会 総括質問」


1.介護サ—ビス人材の確保、育成について

介護サービス事業において、人材を確保することは非常に重要である。
そこで、次の3点について、区長の所見を伺う。

① 介護サービス人材の確保、育成についてどのように考えているのか。

② 区が実施する介護人材対策事業に対して交付される、東京都補助金を限度額まで活用できるような事業内容にすべきと考えるが、どうか。

③ 人材を確保するために、区として財源をしっかリと確保した上で、先駆的事業に取リ組むべきと考えるが、どうか。

【区長答弁】

小坂委員のご質問にお答えいたします。まず、
介護サ—ビス人材の確保、育成についてです。
介護現場は、ロボット・ICT化を促進する動きはありますが、人によって支えられており、安定的な人材の確保や介護技術の向上が必要であると認識をしています。
介護が必要になっても安心して生活できるよう、更なる人材の確保、育成に向けた取組みを進めて参ります。

次に、都補助金の活用についてです。
介護サービス人材確保・育成に関する事業については、平成30年度以降、東京都の補助金も活用しながら進めておりますが、実績に結びついていない面もございます。
これまでの取組みによる効果や先進自治体の事例も踏まえ、新たな事業を具体化し、着実に進めて参ります。

次に、先駆的事業への取組みについてです。本区においては、他区に先駆けて介護職の魅力を発信するためのPR映像の作成や、中高生に向けた冊子の作成、配布を行ってきました。
また、介護職等就職フェアは、オンラインでの開催や実施回数を増やすなど充実を図っています。
さらに、今年度はコロナの影響により参集での実施には至りませんでしたが、介護現場で働く外国人を対象とした日本語講座を映像配信しています。
今後も、様々な視点をとおして、必要に応じた事業展開を検討して参ります。

2.高齢者地域見守りネットワークについて

高齢者地域見守りネットワークについては、どのような活動が行われているのか、区民に見えづらい現状があると考える。
そこで、次の3点について、区長の所見を伺う。

① 高齢者地域見守りネットワークの関係機関との具体的な連携は、どのように行っているのか。また、連携した活動による見守りの効果には、どのようなものがあるのか。

② 見守りサポーター養成講座の総受講者数は、どのくらいか。また、サポーターは具体的にどのような活動を行っているのか。

③ コロナ禍における地域包括支援センターによる見守り活動については、よリ充実させる必要があると考える。今後、どのような取組みを行っていくのか。

【区長答弁】

ご質問にお答えいたします。
まず、高齢者地域見守りネットワークの活動についてです。
区では、民生委員や様々な関係機関にご協力いただき、高齢者の見守りに取り組んで参りました。
さらに、多くの事業者に、活動に参画いただけるよう、これまでの区全域を見守る事業者だけでなく、一部の地域を見守る事業者を対象に加え、充実に努めているところです。
ネットワークの事業者相互の連携のため、連絡会や研修会を開催し、意見交換や情報共有を行っています。
これらの見守り活動から、高齢者の異変を知らせる情報が寄せられた際には、状況に応じて医療や介護サ—ビス等の支援へと結び付けています。

次に、見守りサポータ—についてです。
地域における見守りの目を増やすために、見守りサポーター養成講座を実施し、千人を超える方が受講しています。
サポーターの活動としては、日常生活の中で高齢者の異変に気付いた際に、区に連絡をいただく、ゆるやかな見守りをお願いしています。

次に、コロナ禍における地域包括支援センターの高齢者の状況確認の充実についてです。
地域包括支援センターでは、これまで支援が必要な高齢者の状況を訪問等により確認しているところです。
コロナ禍においては、新たに遠隔で高齢者の状況を確認できる手法として、来年度、ICTを活用したモデル事業を実施し、その効果や課題等を検証して参ります。

3.がん検診について

次の4点について、区長の所見を伺う。

①がんの早期発見・早期治療のため、受診率を上げていくことが大切であると考えるが、現在の取リ組み状況と今後の対策について、伺う。

② 胃がん検診にピロリ菌検査を導入すべきと考えるが、どうか。

③ 前立腺がんのPSA検査(※)を導入すべきと考えるが、どうか。

④乳がん検診に、新たに超音波検査(エコー検査)を導入し、検査方法を区民が選択できる仕組みを検討すべきと考えるが、どうか。

※PSA検査
前立腺がん検診で行う検査方法で、前立腺で作られるたんばく質の一種であるPSAを、血液検査で調べる検査。PSAの値が一定よリ高い場合に、前立腺がんの疑いが生じる。

【区長答弁】

ご質問にお答えいたします。
まず、がん検診の受診率向上対策についてです。
区は、これまでも、対象者全員に個別のお知らせを送付するとともに、未受診者への再勧奨や、総合健康診査の受診票を送付する機会に、がん検診の受診勧奨を行って参りました。
現在、医師会と連携して、総合健康診査の受診時に
がん検診の勧奨を行っているところです。今後も、引き続き受診勧奨を実施し、
がん検診の受診率向上に努めて参ります。

次に、ピロリ菌検査の導入についてです。
区のがん検診については、国の指針に基づき実施していることから、胃がん検診は内視鏡検査とX線検査を実施しています。
委員ご提案のピロリ菌検査は、胃がんにかかるリスクの早期発見につながることが確認されており、有効な検査であると認識をしています。
ピロリ菌検査の導入については、国や他自治体の動向を調査し、検討して参ります。

次に、前立腺がんのPSA検査を導入することについてです。
現在、PSA検査については、死亡率の減少効果が明らかでなく、国の指針において推奨されていないことから、今後の国の議論を見守って参ります。

次に、乳がん検診についてです。
超音波検査を導入することについては、現在、国において精度や実施方法の検討が行われており、国の動向を注視して参ります。
今後も引き続き、がん検診を含めた、区民の健康を守る施策を推進して参ります。

4.乳幼児健診について

次の2点について、区長の所見を伺う。

①共働き等の家庭が受診しやすいよう、土曜日に健診を実施してはどうか。

②発達障害を早期に発見し、療育を早期に開始するために、5歳児に対する一斉健診を実施してはどうか。

【区長答弁】

ご質問にお答えいたします。
まず、健診の土曜日実施についてです。保健所における乳幼児健診は、お子さんの成長や発達、養育困難等の兆しについて確認する重要な機会であり、受診していただく時期が決まっています。
そのため、日時を指定して受診していただいているところです。
また、医師や保健師、心理職など、様々な職種の方が連携して健診を実施していることなどから、土曜日実施については、課題が多いものと考えています。

次に、5歳児健診についてです。
発達障害については、現在、乳幼児健診の中で、全員に対し問診や診察等でスクリ—ニングを実施しています。
また、個別の相談や支援が必要な方には、専門医等による発達相談を受診いただくなど、発達障害の早期発見と早期療育につなげています。
5歳児健診の実施については、国や他自治体の動向を注視して参ります。

5.書道博物館について

書道博物館については、博物館法に規定された登録博物館(※)とすることで、資料の相互貸借や共同研究がよリ活発になることから、登録すべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

※登録博物館
地方公共団体、一般社団法人・財団法人等の博物館を対象とし、学芸員の配置の有無、年間開館日数などを審査し、都道府県の教育委員会等が審査し、登録する。

【区長答弁】

ご質問にお答えいたします。
書道博物館では、これまでも東京国立博物館との連携や、他施設からの貴重資料の借用などにより、魅力的な展示に取り組んできたところです。
博物館法については、近年、博物館の役割が多様化・高度化していることを踏まえ、法律の目的や博物館の事業、登録の要件等を見直すなどの改正が、現在、国会で審議されています。
法律に基づく施設の登録については、こうした動向を注視して参ります。
引き続き、他施設との連携などによる展覧会の実施や、出前講座等のアウトリーチ活動、ウェブサイトでの映像の公開などにも取り組み、書道博物館の魅力の更なる発信に努めて参ります。

6.幼児教育保育の無償化について

令和元年10月に幼児教育保育の無償化が実施されてから、制度は定着してきたと考える。
そこで、本区における無償化の取組みの成果について、教育長の所見を伺う。
また、無償化の対象外となっている各種学校への対応について、併せて伺う。

【教育長答弁】

ご質問にお答えをさせていただきます。
本区の幼児教育・保育の無償化制度につきましては区内の認可保育所や区立及び私立幼稚園、さらには認可保育所と同等の保育を実施している緊急保育室等を対象として実施をしているところでございます。
これにより、3歳児から5歳児及び住民税非課税世帯の0歳児から2歳児の施設利用料等が無償となり、子育て世帯の経済的な負担の軽減につながっていると認識をしております。
教育委員会といたしましては、引き続き、制度の適切な運用に努め、子育て世帯を支援し、次世代を担う子供たちを育んでまいります。
また、委員ご指摘の「各種学校」を利用する世帯を支援する制度につきましては、幼児教育・保育の無償化とは異なる新たな制度の枠組みとなっております。そのため、今後、他自治体の動向を注視するとともに、区内のニーズの把握に努めてまいります。