第2回定例会スタート


5月30日~6月21日までの会期による

台東区議会第2回定例会がスタートしました。

区長所信表明<要旨>を掲載いたします!

1、はじめに

東日本大震災に対し、物資の輸送や職員の派遣など、被災地の支援に取り組んでいる。

私も被災地を訪れ、被災地の1日も早い復興への願いを改めて心に深く刻んだ。

震災は、台東区にも影響をもたらしていることから、区長就任直後に議会の賛同をいただき

建築物の除却工事助成、中小企業に対する緊急融資など

「緊急対策事業」を実施した。

今後とも、区民の日々の生活を守り続け、将来を見据えた施策を一層推進し

区議会及び区民の支援と協力のもと、この難局を乗り越えていく。

2、4年間の基本方針について

これまでに種をまき、花を咲かせてきた施策の集大成として

「にぎわい いきいき したまち台東」の実現という大きな成果を

収穫したいと考えている。

(1)「安全・安心」について

「予防」「応急・復旧」及び「復興」の各段階について再点検を実施し

より実効性のある防災対策を構築していく。

また、帰宅困難者対策は、東京都との役割分担のもと関係機関等との連携により

取り組む。

密集市街地における道路、広場等の整備を引き続き推進するとともに

「(仮称)谷中防災・コミニュニティ施設」などの事業を連携させ、防災基盤の強化を図る。

また、防犯情報等の提供など引き続き区民の防犯活動を積極的に支援するとともに

新たに防犯カメラ等の交換費用の助成を行い、地域の防犯力の維持に努める。

(2)「文化・観光及び産業」について

本区は、東京の中でも随一の文化・観光拠点を有しており、この多様な文化・観光資源を

活かし発展させ、そして新たに資源を創造していくことが肝要である。

国立西洋美術館は国際記念物遺跡会議イコモスにおいて世界遺産一覧表への

「不記載」との勧告が出された。

その文化的価値は、世界遺産として将来へ引き継ぐべきものであるため

国や東京都とも相談しながら、今後も世界遺産登録に向けて引き続き努力していく。

また、東京スカイツリーの開業に伴い、浅草文化観光センターの整備など

各種プロジェクトについても全力を注いでいく。

(3)「子育て・教育」について

教育委員会と一体となった保育・教育環境の整備を行うとともに

家庭や地域における子育て力及び教育力を高める仕組みづくりを進める。

多様な保育ニーズを充たすため、認可保育所の整備など待機児童の解消に向けて

全力で取り組んでいく。

就学前教育の充実などを目的に認定こども園を新たに開設するとともに

「幼児教育共通カリキュラム」は、その実践を通じて幼児教育のさらなる充実を図り

小学校への円滑な接続を推進していく。

児童・生徒に対しては、ICT教育の推進などにより、学力の確かな向上を図る。

また、児童・生徒の放課後における居場所づくりに努めるため、こどもクラブの

整備や育成時間延長の拡大により、子育て環境の充実を図る。

(4)「健康・福祉」について

平成27年には、いわゆる「団塊の世代」全員が65歳以上となることから、高齢者への対応は

なお一層切実な課題となる。

また、障害の有無に関わらず人と人とが支え合い、共にいきいきと暮らせる地域社会を

作り上げなくてはならない。

「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」や「障害福祉計画」を策定し

「自助」「共助」「公助」のさらなる充実を行い、高齢者や障害者を地域全体で支える

仕組みづくりを進めていく。

また、区民一人ひとりが主体的に健康づくりに取り組むことのできる環境づくりを進めるとともに

地域医療基盤の整備やサービスの提供を行っていく。

(5)「環境」について

都会に残った自然環境の保全を進めるとともに、市街地では屋上緑化や壁面緑化など

公共施設での整備と民間施設への誘導を図り、みどりを増やしていく。

地球温暖化や震災後における電力需給状況から、さらなる電力需給の抑制が

必要である。

エコ商店街の支援などの省エネ活動をサポートするとともに、家庭や中小規模事業所における

太陽光発電など新エネルギー機器の導入を支援していく。

(6)「まちづくり」について

御徒町駅周辺地区では、地区計画の見直しなどを行い、「旧東京北部小包集中局跡地」

については、今年度基礎調査を実施し、活用に向けた考え方を示していく。

ユニバーサルデザインの視点を取り入れた福祉のまちづくりについて

引き続き力を入れていく。

凌雲橋エレベーター整備を早期に進めるとともに、三ノ輪交差点歩道橋のエレベーター設置を

はじめとしたバリアフリーの推進について、関係事業者に対する働きかけと支援を実施していく。

(7)「行政経営」について

2期8年間で区債を197億円減らし、基金を105億円増やすなど、財政の健全性を高めてきたが

区の財政状況は、今後も予断を許さない状況である。

そのため、行政経営の基盤のさらなる強化に取り組む必要がある。

基金、区債の適切な運用や、広告事業等による収入など、積極的な財源の確保について

取り組むとともに、事業執行の効率化よ管理的経費の縮減を行っていく。

 

3、おわりに

今回の補正予算では、東日本大震災の伴う、夏季の電力不足及び今後の

震災発生などに備える「緊急災害対策」や一人暮らし高齢者の見守り体制を充実する

「高齢者すこやか訪問」、本区における就学前教育のさらなる充実と、待機児童の解消を

図る「(仮称)第三認定こども園施設整備」などの経費を計上している。