小坂義久「令和7年第1回定例会 代表質問」


 

1.区政運営について

① 区民福祉の向上に邁進し、様々な分野で多大な成果を上げてきた実績を踏まえ、区民とともに歩んだこの1年の軌跡について、区長の所見を伺う。
② 新年度よリ残リ任期2年のスタートになる。「世界に輝くひとまちたいとう」の実現のため、今後の区政運営について、区長の所見を伺う。

【区長答弁】

小坂議員のご質問にお答えいたします。ご質問の第一は、区政運営についてです。

まず、私のこの10年間の軌跡についてです。私は、区長就任以来、常に区民や事業者の皆様に寄り添いながら、子育て世代や高齢者・障害者の方々への支援、地域産業の振興、文化観光施策、
防災・減災対策など、様々な分野における施策の充実を図って参りました。
具体的には、「花の心プロジェクト」の推進や「江戸ルネサンス事業」による本区の魅力の発信、加えて、台東区産業フェアの開催による区内中小企業の販路拡大支援、さらには、特別養護老人ホ—ム「竜泉」の整備や23区で初めての学校給食の食材調達の全面支援など、本区の更なる発展に向けて取り組んで参りました。
この10年の間には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やウィズコロナ時代の新しい日常への変化、原油価格や為替相場の影響による物価の高騰など、本区を取り巻く社会経済状況に大きな変化がありました。
こうした変化に的確に対応し、臨機応変にスピ—ド感を持って取組みを進めるとともに、長期総合計画を修正し、効果的・効率的に施策を展開して参りました。

次に、今後の区政運営についてです。
まちは賑わいを取り戻しつつあるものの、物価の高騰や労働力不足などが、依然として区民生活や事業活動に影響を及ぼしております。
引き続き、社会経済状況を踏まえ、中長期的な視点に立って、区民福祉の向上と地域活性化に資する取組みを進めて参ります。
令和7年度においては、将来の災害に備えた災害対応力の強化、未来を担う子供への支援の拡充、「江戸たいとう」の魅力の発信と区内産業振興の一層の推進を図って参ります。
また、今年度の都区財政調整協議においては、特別区の配分割合を56%に引き上げることについて、合意を得ることができました。
今後とも、都区財政調整制度の安定的な運営に尽力するとともに、都区が抱える課題の解決に向けて、これまで以上に連携を密にし、取り組んで参ります。
私は、未来を見据え、区政運営の長期的指針である長期総合計画を着実に推し進めることで、引き続き、基本構想に掲げる将来像「世界に輝くひとまちたいとう」の実現を目指し、全力で区政運営に邁進して参ります。

2.2025年問題について

「2025年問題」については、国民の5人に1人が後期高齢者となることから、介護が必要な要介護・要支援認定のニーズが高まることで、社会保障費の負担の増加や経済活動の縮小など、多くの分野に影響が出るとされている。
持続可能な社会保障制度の実現には、介護人材の増加や、健康寿命を延ばすための取組みが必要になると考えられるが、「2025年問題」における本区の高齢者福祉に関する認識について、区長の所見を伺う。

【区長答弁】

ご質問の第二は、2025年問題についてです。議員ご指摘のとおり、2025年に団塊の世代が75歳以上となり、後期高齢者人口が増加する一方で、現役世代の人口が減少し、人口構成の大きな変化が見込まれます。
このことにより、本区においても、雇用や医療、福祉といった様々な分野に大きな影響が出ると認識をしています。
これを踏まえ、令和6年3月に策定した「第9期台東区高齢者保健福祉計画」において、各種施策や取組みなどを定めています。
特に、健康寿命の延伸に向けては、高齢者の社会参加や地域交流の促進に注力するなど、健康づくりや介護予防・フレイル予防を推進するとしています。
また、介護人材の確保、定着については、採用活動経費助成の実施や研修受講費用助成対象の拡充などの取組みを推進するとしています。
これらの取組みを含め、高齢者の保健福祉の増進を図るため、様々な事業を着実に進めているところです。
引き続き、高齢者がいきいきと安心して自立した生活を続けられるよう、地域の人々がともに助け合い、支え合えるまちを目指して取り組んで参ります。

3.生涯学習について

「人生100年時代」、「超スマート社会」に向けて社会が大きな転換点を迎える中、生涯学習の重要性がますます高まっている。生涯を通して学ぶことができる環境の整備や多様な学習機会の提供.をするとともに、学習した成果を生かして様々な分野で活躍できるような取組みが必要であると考える。
そこで、次の2点について、教育長の所見を伺う。

①人生を豊かに過ごすため生涯学習は大切であると考えるが、どうか。

②生涯学習センターの機能強化等改修工事が本格的に開始されたが、今後の生涯学習の取組みについて、どのように考えるか。

【教育長答弁】

小坂議員の生涯学習についてのご質問にお答えいたします。

まず、生涯学習に対する認識についてです。
生涯学習は、自らの興味や関心に基づき、生涯を通じて学びを深める自発的な学習活動です。学びによる達成感やコミュニティの醸成を図るとともに、個々の知識と技術を活かし、地域課題の解決や地域の活性化に資するなど、より豊かで充実した生活を送る上で大切な活動であると認識をしています。

次に、今後の生涯学習の取り組みについてです。議員ご指摘のとおり、生涯学習は、誰もが気軽に学習に参加できる場や、年齢、国籍、障害の有無を問わず、多様な学習機会を提供していくことが重要であると考歪ています。
そのため、生涯学習センターの改修工事により、誰もが気軽に学習に参加でき、相互に学び合うことができる交流スペースの設置をはじめ、新たな学習形態に対応するよう、ICT環境の整備を図ることで、様々な講座や自主学習の機会を充実します。
さらに、学びによる知見とノウハウが地域やボランティア活動に還元されるよう、「台東区民カレッジ」を推進するとともに、学習の成果を発表する場を整備することで、多様な学習ニーズに対応してまいります。
教育委員会といたしましては、区民一人一人が自らの可能性を最大限に引き出し、学んだ成果を社会に活かし、生涯にわたって誰もが生きがいのある心豊かな生活を享受できるよう、さらなる生涯学習の推進に取り組んでまいります。